ちえきちぶろぐ

脊損車いすの旦那とのカナダ暮らし

旦那が屋根から落ちた日(82)

以前にも書きましたが、脊損で下半身付随の旦那でも両足が全く動かないわけではありません。自分の意思で動かせないだけで、着替え時や車いすからベッドに移動した時など、足が緊張して急に膝が曲がったり、逆にピンと張ったりします。

ベッドに寝ている時に足が曲がったりするのは、旦那のお腹の筋肉が痛くなったりするだけ(本人にとってはだけって事なないようですが)で特に危なくはないですが、車いすから二階に上がる椅子式ステアリフトに移動する時などに足が勝手に曲がったり、ぴーんと張ってしまうと椅子から落ちる可能性もあって危ないので、どうにかならないかとお医者さんに相談してみました。

 

すると、「アルコールを足に注射して足の反射神経?を緩める」的なトリートメントがある、との事!

足の神経が集中している箇所にアルコールの一種を注射して、神経を麻痺させる?というような話でした。一番最初は少量を両足に打ってみて3ヶ月様子を見て、その後良好のようであればまた注射を打つ、というので、とりあえずやってみることにしました。

 

お医者さんに処方された薬をまず薬局で購入し、予約を入れた日に病院に持参して注射してもらう事に。

処方箋はS-Phenol 6% (with glycerin)という薬を2mlが二本。薬局で購入後は病院で注射してもらうまで冷蔵庫に入れておくという物でした。

 

予約日に旦那は一人でバスに乗って病院へ行き、この薬を注射してもらってきました。

気のせいかもしれませんが、確かに今までより足の動きは落ち着いたような・・・寝ている時もよく無意識に膝が曲がっていたのも減った・・・全くなくなるわけではなかったですが、本人は気に入った様子で、今は数ヶ月に一度、足の動きがひどくなってきたら注射してもらうようにしました。

 

余談ですが、お医者さんに足の動きについて相談した時、上記の方法とは別に、「足の神経を切断する」という方法もあるよ、と言われたそうです。

無根拠にとてもポジティブなうちの旦那はこれを聞いた時に

「ないない!将来、医療が進歩して脊損が治療できるようになった時に俺の足の神経が切れていたら話にならないじゃないか!」

と思って却下したそうです・・・

もしかしたら神経も元に戻せるのかもしれませんが、まぁ旦那のポジティブな事・・・と思いました。けど、札幌医科大をはじめとして、日本ではあちこちの医療機関で脊髄損傷に画期的な治療法が確立されつつありますもんね。旦那の言い分もあながち的外れではないのかな、と。

 

続きます。