旦那が屋根から落ちた日(56)
リハビリセンターに移動してから約2週間が経ち、旦那もセンターでの生活にだいぶ慣れてきたようでした。
病院と異なり、患者さんは全員リハビリ中なので車いすである程度自由に動き回っていたし、元気だし・・・病院よりもっともっと活気がありました!そんな中で旦那も顔見知りの患者さんと他愛もない話をしたりして過ごしたりしていたようです。
当時、旦那はまだ自己導入でおしっこを出していたのではなく、管が挿入したままでチューブの先にある袋におしっこが溜まる器具をつけていたのですが、この頃はよく
「なんだかおしっこが袋にあまり落ちていってない気がする」
と、しきりにチューブから袋へおしっこが落ちるのが遅すぎる(または少量すぎる)と気にしていました。私も言われておしっこが溜まる袋を確認しましたが、袋の中に空気が入っていないので、その中にチューブからおしっこが流れる速度は相当遅いけどまぁそんなもんなんだろうと思っていました。袋に空気が入っていれば、チューブを袋より高く持ち上げればチューブの中のおしっこもすんなり袋に落ちていきそうなもんですが、袋に空気が入っていないので・・・見た目にはあまり溜まっている感じは確かにしませんでした。
看護婦さんは旦那に「水分たくさん取らなきゃだめよ!」とか「水もっと飲んで」とよく言っていたし、以前から旦那は水分をたくさんとるタイプだったので量は飲んでいるはずなのに、それに比べて確かにおしっこが溜まる量は少ないようでした。この時は色も濃いめでした。
チューブからおしっこが逆流して体の中に入ってしまう事はないのかね、なんて話を旦那ともしてたんですが・・・
おしっこの袋はいっぱいになったら看護婦さんにお願いしてして別の袋に取り替えてもらっていました。日中はそれほどでもないのに、夜間はおしっこが相当出るらしく、よく朝起きたらおしっこの袋に1リットル以上溜まっていた、という話を旦那から聞いていました。
同タイプのおしっこ袋を使っていたはずなので、日中袋におしっこた落ちていかないような気がするのはただ単に気のせいで、あんまりおしっこ自体が出てないのかも、という話をして、看護婦さんのいう通り日中もっと水分をとるようにしようということになりました。
余談ですが、欧米ではクリスマスライトを家のそとに飾るのはよくある事なので、その分ライトを付ける・外す時に落ちて怪我する割合は相当高いんだそうです。ある日、旦那がセンターの裏庭で外の空気を吸っていたら、他の患者さんがきて自己紹介などをした際に、「あなたはなんで脊髄損傷したの?」と聞かれ、旦那は「クリスマスライトを外そうとして屋根から落ちたんだよ」と言ったそうです。そしたら
「あー!あなたが例の〇〇さんか!!」
と言われたそうです。きっと看護婦さんたちや他の患者さんとの話の中で、「伝統”クリスマスライト取り付け事故”で脊損した人が入ってきた」などと話題になったんでしょうね。それくらいコテコテの事故だったようです(笑)。
続きます。