ちえきちぶろぐ

脊損車いすの旦那とのカナダ暮らし

旦那が屋根から落ちた日(55)

下半身の感覚がないという事は、これからどういった事に気をつけなくてはいけないのか。今までの感覚が使えないというのはやはり相当大きな違いで、色々と気をつけなくてはいけない事も増えました。

病院にいた時にも看護婦さんに旦那は注意されていたんですが、感覚がないという事は、当たり前ですが熱さ・寒さや痛さも全然本人はわからないということです。

 

病院で自分一人で他のフロアに移動しても良いと許可がでた後に、旦那はいそいそと車いすで2階のカフェにスタバのコーヒーを買いに行っていました。これも実際車いすにならないと気がつかない点ですが、コーヒーを一体どうやって運ぶのか?という問題が車いすだと出るわけです。病院の車椅子なのでカップホルダーなどもないし、車いすを動かすには両手で車輪を回さないといけないので、コーヒーだけに限らず、なんでも車いすで運ぶのは相当大変だったんです・・・

旦那は買ったコーヒーを太ももの間に挟んで車いすを動かして病室まで5分ほどで帰ってきたんですが、なんと熱々のコーヒーを挟んでいた太もも内側部分に火傷をしてました・・・通常なら熱いので持ち替えたりするところ、感覚がないのでそのままにして火傷を負ってしまったらしいです。

火傷をした後は、コーヒーカップを二重にして火傷対策していましたが、別の日は太ももに挟んだコーヒーがずれて病院の廊下に派手に落としてコーヒーを床にぶちまけた事もありました。

自宅に戻ってからは、フタ付きのトラベルマグを使っているので、とりあえず太ももの間に挟んでも火傷はしませんが、やはりたまに床にマグ自体を落とす事は多いです。

どうにかカップホルダーを取り付けられないかと考えたんですが、車いすの両脇に何か取り付けると車輪を押すのに邪魔になるので取り付けられないし・・・車いすの背面に付けると、旦那の場合腹筋背筋があまり使えないので体を捻ってとるのも難しいし。

このカップホルダー問題はいまだ解決していないので、どなたか「私はこうしてるよ」とか「これ使ってるよ」的な良い案がありましたらぜひ教えて頂きたいと思います。

 

また、車いすから一番飛び出ている爪先を移動時にぶつけないよう注意も必要です。ぶつけても痛みを感じないですもんね。

爪先だけでなく足全体に言える事ですが、捻挫や打ち身、骨折しても本人は痛みがないのでわからないから発見も遅くなるし・・・

 

寒さ対策としては厚めの靴下を履いたり、裏がスエットタイプの厚めパンツなどを履いています。犬の散歩に行くのが旦那の日課なんですが、その時はしっかりニット帽や手袋をしていきます。寒い冬は車いすを動かすのにさわる車輪の箇所がメタルなので、相当冷たくなるんだそうです。これも車いすにならないと分からなかった点でした。

寒くなって初めて、「そういえばテレビとかでよくみる車いすの人は、足に膝掛けをかけてるけど寒さ対策なのか・・・」と、気がつきました。

 

旦那が車いす生活になってから、上記のように「なるほどそうか」ということが本当にたくさん出てきて、二人で試行錯誤しながらベストな方法を見つけていくのが不謹慎ながら結構楽しいです。

 

続きます。