ちえきちぶろぐ

脊損車いすの旦那とのカナダ暮らし

旦那が屋根から落ちた日(65)

結論から言うと、旦那の病院での精神面ステージは、「希望(足は治ると信じてる)」→「受け入れ(車いすになる事を受け入れる)」の2ステージしかありませんでした(笑)!

まぁ、私は毎日病院にいたわけではないですし、本人しかわからない気持ちの変化などもあったんだとは思いますが、私の目からみた旦那の精神面は「希望」から「受け入れ」だけだったんです。

 

下半身付随を受け入れないこともなかったし、泣いたり取り乱したり怒ったりする様なこともなかった旦那。リアルを読んで「旦那が高橋君の様になったらどうしよう」と心配していた私を他所に、旦那は事実をすんなり受け入れ(表面上はそう見えた)、日々リハビリに専念してました。

そんなある日、娘と旦那と私でセンターから10分ほどの公園に散歩に行った時、私は意を決して気になっていたことをスバリ旦那に聞いてみました!

 

私「よく漫画やドラマではさ、事故とかであなたは一生車いすですって言われたらみんな取り乱して、落ち込んだり他人にあたったりするでしょ?何で旦那はそういうことがないの?」

旦那「なんでって・・・だって落ち込んだり怒ったりしても俺の足が治るわけじゃないでしょ?そんなの時間の無駄だもの。」

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私「!!いや、そうだけど!でも頭でそうわかってても、心の方はなかなかそう上手く言うこと聞かないでしょ!」

旦那「俺は俺の心に『黙れ!』って言って言うこと聞かしたんだ(笑)。」

 

・・・え?

 

この時、私は不覚にもこの旦那の答えを聞いて一瞬点目になったのち、公園で大爆笑してしまいました・・・

こうやって日本語文章にしてしまうとこの時の面白さが半分も伝えられないのが悔しい><

でもこの時、なんてこの人はポジティブなんだろうと思いましたね〜。

車いすになったからこれが出来ない、あれも出来ない、と最初から諦めたりしてこれからの人生を悲観するのでなく、旦那は「歩けないだけで、とりあえず体は健康だしやろうと思えばなんでも出来るでしょ」という決して気張らず、まるで今までと(事故前と)何も大きく変わったことはない様な感じで全ての話をするんです。

怪我をしてまだ一年も経ってないのに、「次のお正月日本へ帰ろうよ」と言われた時は正直ビビりました(笑)。車いすビギナーなのに、国際線フライト時間10時間越えはキツイ・・・

私は旦那のこれからの生活を「どうしよう?どうなるんだろう?」と勝手に不安がっていたのですが、旦那のこのポジティブさのおかげでだんだんと私も「どうにかなるだろう。なる様になるさ〜!」と、気張っていた肩の力が抜けていきました。

 

そうは言っても、旦那ももちろんたまにはフラストレーションが溜まってイライラする事もあります。車いすが家具にぶつかって方向転換できない時とか・・・そういう時は下手に声をかけても喧嘩になるだけなので、しばらく放っておきます。一人にさせておくと大体20分くらいで頭も冷えていつもどおりの旦那に戻ります。

一階の家具の配置やリノベーションも今後の課題です・・・完全に車いすフレンドリーな家になるまでの道のりはまだ遠い・・・

 

続きます。