ちえきちぶろぐ

脊損車いすの旦那とのカナダ暮らし

旦那が屋根から落ちた日(15)

*入院4日目* バスと電車を乗り継いで娘と二人で病院へ。この日は朝9時半から再度CTスキャンがあるという事で、娘と二人でお昼過ぎに病院へ着くように出かけました。

集中治療室のエリアに入って旦那がいる部屋に向かう途中、ふと気がつくと隣の部屋の患者さんがいなくなっていました。どこかに移動したのかと思いつつ、旦那のベッドに近くと旦那は昨日同様、口にも腕にもチューブやら何やらが入ったまま薬で眠っていました。

 

担当の看護婦さんに様子を聞くと、特に容態に変化はなし、との事。

覚醒すると興奮するので、鎮静剤のような物でできるだけ眠るようにさせているそう。スキャンの結果は今日遅くか明日になるでしょう、という事でした。

 

看護婦さんと話つつ、何気なく「お隣さんはどこかに移動されたんですね」と話を振ってみると、看護婦さんはちょっと言いづらそうに、「いえ、昨晩容態が急に悪化しまして・・・」と。

 

そこでやっと私は隣の患者さんは移動したのではなく、亡くなられたんだと気付きました。

 

「そうだったんですね・・・昨日までお隣にいらしたのに今日はもう亡くなられているなんてちょっとショックです」と看護婦さんに言うと、看護婦さんは「集中治療室ってそういう事が日常茶飯事のところなんですよ。」と言われました。

 

確かに治療しているからってどんな病気や怪我も絶対治るわけではないですよね。旦那のお隣さんのように、治療の甲斐なく亡くなられてしまう場合ももちろんある。旦那だって治療しているからってメキメキ回復に向かっている訳でもないし・・・油断はまだまだできない状態でした。

そう考えると、生と死があまりに近い集中治療室から一刻も早く旦那にも普通病棟に移って欲しかったです。

 

続きます。