ちえきちぶろぐ

脊損車いすの旦那とのカナダ暮らし

旦那が屋根から落ちた日(6)

自宅から車で10分ほどの所にある救急病院に旦那は運ばれて行きました。

 救急車が家を出発してから15分ほどで私も娘を車に乗せて家をでたと記憶しています。

 

前回書いたように色々と必要ないものまでバックに詰めた他、旦那の方の家族に電話連絡したりしてから病院に向かいました。はっきりとは覚えていないのですが、大体お昼過ぎ〜午後1時くらいの間だったと思います。

 

病院についてからすぐにエマージェンシーの受け付けで確認すると、看護婦さんが旦那のいる部屋まで連れて行ってくれました。カーテンで仕切ってあるだけのベッドで横になる沢山の患者さんを横目で見ながら廊下をどんどん進み、さらにガラスの自動ドアを通り抜けて看護婦さん達のワークステーションを通り過ぎたあたりで、看護婦さんに「こちらです」と言われて見てみると、そこはどう見ても重症な患者さんの集中治療室という感じの、ベッドが2〜3ある大きな部屋でした。

 

その1つに旦那がお医者さんや看護婦さんに囲まれて寝ていました。

 

何か処置をされていたようですぐには近くに行けませんでしたが、酸素マスクをつけて意識はないようでした。

 

心配ではありましたが、ひとまずお医者さんや看護婦さんの処置の邪魔になってはいけないので、近くの椅子に座ってじっとしていました。隣のベッドでも他の看護婦さんが中年男性に何か処置をしているところだったのですが、奥さんらしき女性が男性に覆いかぶさって「あなたがいなくなったら私は一人ぼっちになってしまうわ!」「お願いだから置いていかないで!」と泣いていました・・・

 

集中治療室内はあまりに死が蔓延している気がしてとても気が滅入りました。

 

続きます。